超ブラック塾講師のアルバイトが嫌でバックレた、大学生の体験談とその後
アルバイトで人間関係が嫌になってしまった時、『もうこんなバイト、明日で辞めてやろうか』『このままバックれることができたらラクなのに・・・』と考えてしまうこともあると思います。
しかし、その後の給料のことや、『バックれるのは人としてダメかな』という良心の呵責から実行に移せないことも多いでしょう。
そこで今回は、実際に塾講師のアルバイトをバックれた友人の一部始終と顛末をお話したいと思います。
ノルマと嫌味ばかりの塾講師
これは、私のとある友人が塾講師としてアルバイトをしていたときの話です。
大学生のアルバイトとして代表的なモノに『塾講師』が挙がると思うのですが、彼が働いていたのは比較的大手の進学塾でした。
塾講師が実は給料に見合わないほどのサービス残業が多かったり、人間関係が思いの外大変だったり、いわゆるブラック業界なイメージが某個別指導塾をきっかけに世間でも話題になりました。
彼が働いていた塾もイメージ通りのブラック塾で、アルバイトに行くたびに精神的にも体力的にも疲弊していったのです。
一番初めに『あれ?』と思ったのは、あまりに急な呼び出しが多いことでした。
夜の8時くらいに急に塾から電話が掛かってきて、『今すぐ来てくれ』と一言。
講師が足りないなど、緊急なのかな?と思い急いで出かけた友人でしたが、行ってみれば『この採点をやって欲しい』とひたすら事務作業をやらされただけだったそうです。
シフト上は週2でしたが、そのうちの1日は授業をすることはなく、ひたすら何時間も塾長がやるべき事務作業をこなす日々・・・
しかも事務作業の際の時給は最低時給だったので、『割に合わない』とボヤいていたことをよく覚えています。
次に驚いたのが、あまりに重圧的なノルマでした。
『生徒の成績が上がらない、次の模試までに結果が出せなければクビだ』と大学生のアルバイトには理不尽なほどのノルマを課せられていました。
どれだけ一生懸命授業をやっていたとしても、1回の授業では不可能なほどのカリキュラムを言いつけられ、塾長からは文句を言われ・・・
毎週末の塾内テストや全国模試があるたびに塾長から怒られ、『成績が上がらないならクビにする』と何ヶ月も言われ続けていたそうです。
もちろんそれが本職の講師ならある程度しかたないと思うのですが、あくまでも大学生のアルバイトです。
その上、給料の振込は何ヶ月も遅れていました。
『まだ手続きが終わってないから、給料の振込は来月・・・』と言って、なかなか給料を払ってくれなかったのです。
それと反比例するように時間外労働や塾長からのプレッシャーは増える一方・・・
そんな状況に彼は、日に日に白髪が増え、顔もなんとなくやつれていきました。
周りに相談できるタイプではなかったため、自分の中で何ヶ月も溜め込み、もう限界だったようです。
そんな時、普段の疲れやストレスが祟ったのか、ついアルバイトの会議の日に寝坊をしてしまったのです。
それをきっかけとして、『どうせ怒られるなら、もうバックレてしまえば良い・・・』とバイトに行かない選択肢を選ぶことになりました。
連絡せずに突然行かなくなった3月末
もともと3月の末に講師のための会議があり、そこから小中学生の春休みに合わせた春期講習が行われる予定でした。
会議には当然彼も出席する予定で、春期講習のシフトもほぼ確定状態だったそうです。
しかしながらそんな状況の中、彼は突然アルバイトに行かなくなったのです。
最初は、例の会議に何の連絡もなく欠席したことが始まりでした。
当たり前ですが、塾からは何度も携帯電話に電話が掛かってきており、その日は5件の不在着信がありました。(彼は当然電話に出ることはありませんでしたが・・・)
その会議から数日後に春期講習が始まる予定でしたが(そしておそらく、いくつかシフトも入っていたと思いますが)、完全に無断欠勤を決め込んだのです。
会議から一週間ほどは、携帯電話に1日5件以上の不在着信が続きました。
彼は基本的に穏やかな性格だったのですが、『ここまで自分を怒らせる塾長と環境が悪い』と開き直っていたのが印象に残っています。
実家に電話をされる心配があった
彼はまだ大学生だったので、アルバイトの契約時に実家の電話番号を書いていました。
まだ未成年の場合は特に、バイトをバックれると実家に電話がかかってくる場合があります。
両親が協力的なら良いのですが、『親にバレたくない』という場合はある程度の注意が必要です。
彼の場合は最後まで塾側に電話をすることはありませんでしたが、逆に実家にまで電話されることもありませんでした。
職場や責任者の様子、状況にもよると思いますが、必ずしも実家に電話をされるわけではないようですね。
その後の給料の振込も心配だった
さらに、バイトをバックれる際に心配なのが『給料の振込』ですよね。
バックれた後ろめたさから、万が一給料が振り込まれていなかったとしても文句を言うことができない人も多いと思います。
しかしながらいくらバックれていたとしても、働いた分のお給料をもらう権利があるのです。
彼の場合は結局、働いた分の金額はしかるべき日に振り込まれており、問題はありませんでしたが、振り込まれていなかった場合に備えて督促のための手紙まで用意していました。
後ろめたい気持ちはあるかもしれませんが、もし給料が振り込まれていない場合でも、その分は泣き寝入りせずにきちんと請求しましょう。
バイトをバックれるのは人としてダメなのか?
よく議論されることとしては、『バイトをバックれるなんて人として良くないのではないか』という点です。
例えば人間関係の悩みなんてどこのバイト先でもあるもので、そんなことのために『バックレ』るのは良くない、という考え方ですね。
『大学生のうちからそんなことをやっていたら、社会に出た時にやっていけない』という人も少なくないでしょう。
確かに、バイトをやめたいと思う前に、まず穏便に辞められないものか、できるだけ波風を立てずに辞められないか考えることは必要だと思います。
しかし、実際問題として、『辞めるには最低一ヶ月前には言わなければならない』『次の人が決まるまでは辞められない』など、自分の思うようにいかないことも多々あると思います。
少し時代遅れかもしれませんが、アルバイトの良いところは『社員に比べて責任が軽い』ことです。
責任が軽いからこそ給料も安いわけで、社員並みの責任を求められるのは少しお門違いなのではないかと私は思います。
したがって、穏便に辞められそうもない、辞めるまでに時間がかかりそうという場合は、最悪『バックれ』という手段をとっても良いのではないでしょうか。
そうせざるを得ない、そんな状況にあなたを追い込んだ周囲の人間と環境にも少なからず非があるのです。
だからこそ、バイト先での人間関係に悩んだ時、いま一度『バックれ』という選択肢があることを覚えておいくださいね!
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