同性カップルの里親でも、養子の子供はかわいそうじゃない?

先日、大阪で同性カップルの里親が誕生したニュースが話題となりました。

同性カップルが養子をもらうのは全国初であり、LGBT問題を考える上で大きな節目になるのではないでしょうか。

しかしながら、実際には良い側面ばかりではありません。

  • 子供がかわいそうでは?
  • 同性カップルの子供っていじめられない?
  • 学校生活は大丈夫なの?

こういった不安はやはり大きいですよね。

このニュースを受け、LGBTの方を含め様々な反応がありますので、それらを参考にこの問題を考えてみたいと思います。

里親のガイドラインでは問題ない

実は、厚生労働省は2011年に里親委託のガイドラインを定めていました。

そこでは、『里親は異性のカップルでなくとも良い』とされていましたが、本当に同性カップルの里親が誕生したのは今回が初めてなんですね。

厚生労働省としてもLGBTへの差別や偏見をなくす必要がありますし、そういった意味も込めてガイドラインを制定した側面もあるのでしょう。

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しかしながら、いくらガイドライン上は問題なかったとしても、やはり子供がかわいそう・・・と思ってしまう方は多いのではないでしょうか。

LGBTの人たちを変だとか、差別しようとかそういうことじゃない。

ただ、養子として引き取られる子供にとっては、やっぱり多数派である異性カップルの親のほうが良いのではないか・・・?

 

Twitter等を見てみると、そういった意見のほかにも『むしろこのニュースが話題になること自体がおかしい』といった、同性カップルに肯定的な意見も多いようです。

同性カップル、子供、かわいそう

海外では同性カップルの里親は多い

同性カップルの里親は、海外では決して珍しいことではありません。

(やはりそう考えると、LGBTに対する意識感に関して、日本が取り残されている証拠でもありますね)

実際に里親を必要とする子供は非常に多く、同性カップルはその貴重な受け皿の役割を果たしていると言います。

日本人にとっても、同性カップルであっても子供を持って暖かい家庭を作ることができる、その大きな第一歩を踏み出したことになります。

また、オーストラリアのメルボルン大学の研究結果では、同性カップルの子供のほうが健康で幸せである可能性が示唆されているのです。

調査は、合計500人の子供を持つ同性カップル315人(主に母親役)を対象に実施された。

それによると、「健康」と「家族の絆」を測る項目で、同性カップルの子どもは全体を平均で6%上回るスコアを記録した。一方、「気性・気分」「態度」「精神衛生」「自尊心」の項目では、全体と同水準のスコアだった。

引用元:http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304188504580018261367289220

つまり、実際に養子となった子供にとって、両親が同性であるか異性であるかはそれほど大きな問題ではないということです。

子供にとっては、愛情の形より大きさのほうが大切・・・

そんな当たり前のことを教えてくれるニュースなのかもしれません。

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養子となった子供の声明

実際に養子として引き取られた方の声明が発表されています。

『子供が欲しい人のためにある養子縁組ではなく、大人を必要としている子供のためにあるのが養育里親です』

さらに、男性カップルの里親の一人は、『子供が欲しいから養育するのではなく、子供が育つ環境を提供しようと思った』とコメント。

これらの声明を見ると、やはり『同性カップルが里親となった』だけで騒いでいる私たちが恥ずかしくなってしまいます。

同性カップル、里親

よくよく考えてみると、親から虐待を受けたり、親がいない孤独な環境で生活しなければならない苦しみから救ってくれる存在が、里親であるわけです。

それが同性なのか異性なのか、そんなことはもはや些末な問題に過ぎないのかもしれません。

 

そんなことが取り沙汰され、騒ぎ立てている私たちは結局、親がいて家族がいるという当たり前の幸せに気が付いていないだけ・・・

これは、LGBTに関する問題だけでなく、もっと広い意味での家族の在り方、そして有難みを考えさせられるきっかけなのではないでしょうか。

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それでもやっぱり子供は大丈夫?

先ほどの声明を見る限り、養子となった子供さんにとっては、決して『かわいそう』なんかではないことが分かると思います。

しかしながら、この先良いことばかりではないかもしれない。

そもそもいろんな人が『子供がかわいそう』と騒いでいるのは、別に本人たち家族の問題ではなく、『この先学校でいじめられる可能性はないのか』といった意味合いも込められているはずです。

年齢を重ねるにしたがって学校生活における親の存在感は薄くなっていくものの、必ずしも周りに受け入れてもらえるわけではないかもしれません。

悲しいかな、LGBTの人たちを差別する人はまだまだいますし、授業参観や卒業式などで子供さんが肩身の狭い思いをしないとも限らない。

そういった不安を取り除くには、やはり私たちが過剰反応しないこと、そして『LGBTは普通のこと』であることを子供たちに伝えていかなければなりません。

家族の形は色々で、それは些末な問題であること。

何よりも大切なのは、愛情と家庭の温かさであること。

それを私たちは再認識し、このニュースが決して他人事ではなことに気づかなければならないのかもしれませんね。

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